今月は、賀茂郡東伊豆町にある「きんめ処　なぶらとと」さんにおじゃましました。26年前から金目鯛専門店として営業しているこちらは、全国各地から訪れる観光客でにぎわっています。店名の“なぶらとと”とは稲取の方言で、“なぶら”は集まること、“とと”は魚のこと。お客様が大勢来てくれるようにとの願いを込めて、名付けられました。こちらは創業当時はイタリアンでしたが、「稲取は金目鯛の町だから、美味しい金目鯛をたくさんの人に食べてもらいたい」との思いから、金目鯛専門店へと変更されました。お客様からの「美味しかった！」という声が聞けるのが楽しみとも話されていました。

お店の目の前には稲取漁港が！ここで水揚げされた稲取キンメを仕入れて提供されています。稲取の金目鯛は、他の地域の金目鯛と違って美味しいといわれています。それは、稲取の船は伊豆大島の近くで漁をするから。水温やエサの好条件がそろっており、美味しい金目鯛が水揚げされます。稲取キンメは、高い品質と鮮度が特徴で、ブランド登録されています。
店内は広々としており、窓からは漁港が一望できます。漁港を望みながら、金目鯛料理をいただく・・・至福の時間を過ごせます。

豊富にある金目鯛メニューの中でも、お店のおすすめで一番人気なのが「あぶり金目鯛どんぶり(2,805円)」。バーナーで軽く炙った金目鯛と、ネギトロがのっています。さっと炙ってある金目鯛は、脂が浮いていて絶品！塩とわさびでさっぱりといただきます。あぶりの香ばしさで箸が進みます。ボリュームたっぷりで、お味噌汁にも金目鯛の身が入っており、満足感の高い一品です。

丼メニュー以外での人気は、「キンメ鯛煮付け膳(2,750円)」。稲取キンメ鯛の煮付け、お刺身サラダ、小鉢、ご飯、味噌汁がついてきます。煮付けは脂がのっているため、身がやわらかく仕上がります。稲取では、金目鯛の旨みを引き立たせるために、濃く甘辛い味付けになっています。ふっくらとした身は絶品です。煮付けの汁は、ご飯にかけて食べるのが稲取流。ご飯と味噌汁はおかわり自由ですので、思う存分、煮汁をかけてご飯を食べてみてください！

「キンメ鯛煮付け膳」を食べた方は、ぜひ鯛の姿に似た骨「鯛の鯛」を探してみてはいかがでしょう。伺った日にもきれいな鯛の鯛を見つけることができました！

「なぶらとと」さんでは、他にもお刺身定食や、キンメ鯛しゃぶしゃぶ定食なども提供されています。どれも美味しそうなので、何度も来店していろいろ食べたくなります。観光客のリピーターが多いのも納得です。

稲取といえば雛のつるし飾り。店内ではさまざまなつるし雛を見ることができます。「なぶらとと」さんが金目鯛専門店に変わった頃、雛のつるし飾りまつりもスタートしました。まつりは春ですが、こちらでは年中つるし飾りをご覧いただけます。ちなみに金目鯛のつるし雛はここだけ。お食事の際には、つるし雛もご堪能ください。

「なぶらとと」さんでは、稲取キンメの煮付け・味噌漬け・干物、アジの干物をクール便で郵送してくださいます。注文はお電話やFAXで受付されています。おじゃました日も、出荷準備をされている姿がありましたよ。品物があれば翌日には出荷してくださいますので、気になる方はお問合せください。

「なぶらとと」さんは漁港目の前にある店舗で、メディアで紹介されていることもあり、休日は開店前から並んでいることも。14時以降になれば比較的少ない待ち時間で入店とのことですので、行かれる方は参考にしてみてください。

美味しい稲取キンメ料理をいただける「なぶらとと」さん。ぜひ“ぎんでー、くってかっしぇー(金目鯛を食べに来て下さい)”。

取材：みづき