花火の色が生まれる仕組みと県内の主な花火大会

夏の風物詩のひとつである花火。そんな花火にはさまざまな色がありますが、その色はどのようにして生まれているのでしょうか?今回は、花火の色の仕組みについてご紹介します。

色の仕組み
花火は火薬を燃やして爆発させることで、まぶしい光や大きな音を出しています。今はさまざまな色がありますが、かつては炭火のような赤い色のみでした。今のような色鮮やかな花火になったのは、明治時代になってからといわれています。色鮮やかな花火を作る発色は、金属化合物の炎色反応を利用して作られます。この炎色反応は、ある元素を含む化合物を燃やすとその元素固有の様々な色の炎を出して燃えるという現象で、化学の時間に実験した方もいらっしゃるかと思います。花火に使われる化合物は一般的に、赤色はストロンチウム化合物やカルシウム化合物、黄色はナトリウム化合物、緑色はバリウム化合物、青色は銅化合物です。それ以外の色は、これらの化合物を混ぜることで作られています。
花火の中には途中で色が変わるものがあります。花火に使う火薬玉は「」と呼ばれており、この星は外側から中心部へと燃えていきます。この星には炎色反応を起こす金属が含まれています。途中で色が変わる花火は、この星を出したい色の順に外側から並べていくことで作られます。この途中で色が変わる花火は、日本の花火特有の技術とも言われています。


県内の主な花火大会
※新型コロナウイルスの感染状況により、開催を見送られたり、規模を縮小したりする場合もあります。最新の情報は公式サイトなどでご確認いただき、来場される際には十分な感染対策を取るようにしてください。

○ふくろい遠州の花火(袋井市)
迫力、伝統芸術花火、高音質な音楽との相乗効果が魅力の花火大会です。音楽に花火を合わせたものは、全国的にも数少ない試みで、約2万5000発の花火が打ち上げられる、遠州地方の夏の風物詩です。日本十大花火のひとつにも数えられている大会です。今年も中止が決まりましたが、代替イベントの実施が検討されています。

○安倍川花火大会(静岡市)
昭和28年に観光行事として第1回大会が開かれ、第4回大会から現在の名称となり、安倍川の河原で行われるようになりました。慰霊と平和への願いを込めた、供養祭の一部として開催されています。約1万5000発の花火が打ち上げられます。現時点では7月23日(土)の予定で、5年ぶりに開催される方針です。

○狩野川花火大会(沼津市)
沼津の夏の風物詩として知られ、昭和23年から商店街の復興事業として行われています。市街地での花火大会としては東海地方随一の規模を誇っており、2日間で約1万発の花火が打ち上げられます。昼間はシャギリの競演や郷土太鼓の演舞などの催しも行われるイベントです。現時点では7月30日(土)、31日(日)の予定で3年ぶりに開催される予定です。