今回は沼津市にある「沼津フィッシュマーケット　タップルーム」さんにおじゃましました。
こちらは、沼津港のそばにある、クラフトビールを提供・販売しているお店です。創業は、まだクラフトビールを売っているお店が珍しかった頃の2000年なので、来年で25周年を迎えます。現在は、関東地方にもいくつかお店を持っていますが、ここ沼津は本店で、タップルームのはじまりの地になります。
お店の名前に入っている「タップ」は、ビールをサービングする注ぎ口のことを指していて、「タップルーム」で、醸造所でつくられたビールを提供する場所という意味になります。そこに、土地の名前である「沼津」と、沼津港の近くなので「フィッシュマーケット」で、お店の名前がつけられました。

もお店の創業者は、当時、クラフトビールの技術指導者として来ていた、縁もゆかりもない沼津に惚れ込み、お店をオープンしようと決められました。決め手は、沼津の自然環境の良さ。このお店の窓からみえる景色は、沼津港の駿河湾です。海を見ながらビールを飲んでひとときを楽しむ・・・そのような光景にあこがれて、沼津にお店を持つことになったという経緯があります。

クラフトビール好きが集うお店ということもあり、ビールは年間50種類ほど造っています。定番のビールや、期間限定・季節限定のビール、このお店のためだけにつくられたビールなど、そのラインナップはさまざまです。
また、ここではアメリカ人のオーナーブルワーの名前から付けられた「ベアードビール」を販売しています。名前だけきくと、なんだか外国のビール・・・？と思いがちですが、そのようなことはありません。修善寺にある工場でつくられた、日本らしさがたっぷりつまったビールとなっています。工場には農園もあり、ホップやかんきつ類を栽培していて、その作物を使用して、季節限定や期間限定のビールもつくられています。

メニューはこちらになります。この特徴的な絵、実は版画でできているのです！もともとは、太いペンでなぞったグラフィック調の絵をメニュー表に使用していたのですが、あるときひらめき、版画をほってみると、その手彫りの素朴さがビールのイメージと重なり、すべての絵の書き直しが行われています。第一印象で思われがちな外国のイメージを払拭するように、絵の中に漢字を使ったり、朱肉で判を押したような形をかたどったりなど、日本らしさを第一に考えられています。
おすすめのビールは、富士山と旭日をかたどった「ライジングサンペールエール」と、花火をかたどった「スルガベイインペリアルIPA」。飲みやすい口当たりで、はじめていらした方には必ずこれをおすすめされています。
それぞれのビールの名前も、声に出して読みたくなるようなおしゃれな名前がついていますが、それだけだとあまり味が想像つきません・・・しかしご安心を。下に書いてある文章に、しっかりと情報が細かく書かれています。名前をみて、なにこれ？気になる！と興味を持ってもらいやすいようなビール造りにこだわりを持たれています。
きっと、自分の好みの味が見つかるはずです。

座席は、テーブル席が5席、カウンター席が14席、ソファー席が1席あります。いずれもすべて禁煙なので、ビールの味や風味も豊かに楽しむことができます。常連のお客様に人気の席は、広々ゆっくり座れるソファー席や、サーバーからビールをつぐのが見える奥側のカウンター席です。
常連さんもたくさん来店されますが、週末や土日は、クラフトビールを求めて、県外からのお客様も多く訪れています。その方々に人気なのは、窓側の海に面しているカウンター席です。海を見ながらゆっくりとお酒を嗜めるということで、人気の席となっています。
来店するのにおすすめの時間帯は、日が沈んで海が赤く染まる夕方頃とのこと。創業者の方もほれ込むほどの最高のロケーションを、ぜひこの目でみてみてください。

営業している平日夜は、常連のお客様がほとんどを占めていますが、お昼から営業している土日や祝日は、県外からのお客様や、子連れ・家族連れの方々のにぎわいにあふれています。ソフトドリンクも数多くの品を取り揃えているので、お子様でもじゅうぶんに楽しむことができます。
お昼から営業しているのは、創業当時から変わらないこだわり。「みんなが集う場所」とコンセプトを立てた創業当時から、そのサイクルは変わらず営業されています。現在も、創業者は週に1回ほど沼津の店舗に顔を出し、お客様との談笑を楽しまれています。

海が見える素敵なロケーションを眺めながら、おいしいクラフトビールを堪能できる贅沢な時間、「沼津フィッシュマーケット　タップルーム」さんで叶えられます。お酒好きの方は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

取材：ひよ