今月は磐田市にある「沖之寿司」さんにおじゃましました。こちらは今年の7月で29年目を迎えたお寿司屋さんです。横浜にあった「沖之寿司」で修業した店主の甲賀さんが、その味などを受け継いで磐田にお店を開かれました。コンテストで賞を取られている腕前の甲賀さんのお寿司を食べようと、多くのお客様が来店されています。
「沖之寿司」さんの特徴の1つとして、しっかりと血抜きをした魚を寝かせることで熟成されています。毎日新鮮な魚を仕入れて熟成し、3～5日ほど熟成されたほどよい頃合いで提供されているため、鮮度の良さと熟成された旨味の両方を楽しむことができます。

ランチタイムには、税込1,000円で食べられるランチメニューを提供されています。切り身などの「ちらし丼」、サイの目切りの「バラちらし」、「本日のにぎり6カン巻物付」の3種類あり、どれも同じくらいに注文が入ります。本日のにぎりにある巻物は2種類入ります。どのメニューにもあら汁サービス付き。その味と値段から、気軽にお寿司をいただけると、老若男女問わずお客様が来店されています。また、提供されるネタは仕入れ状況で変わるため、連日のように訪れるお客様もいらっしゃいます。

写真はおじゃました日の「ちらし丼」。10種類以上のネタがぎっしりとあり、これで1,000円とは驚きです。蓋を開けた瞬間に思わず「宝石箱や～」と言ってしまいそうになりました。ネタも新鮮さと熟成された旨味をたっぷり感じられて絶品です。少しずつたくさんの種類のネタがあるので、いろいろな味を楽しめました！まぐろやサーモンなどはもちろん、生ゆばやほたるいかなど、バリエーションも豊富です。あら汁はその日によって内容は異なりますが、魚介の風味がこれでもか！と感じられる、たくさんの魚介を扱うお寿司屋さんならではのあら汁です。

ちなみにこの日は、古代米を使用したお寿司を作ったことから、シャリが2種類入っていました。食べ始めたら、2種類のご飯が出てきてびっくりしました！「沖之寿司」さんでは、米酢と赤酢をブレンドしたものでシャリを作っているため、シャリに色がついているのが特徴です。赤酢を使用したシャリを使っているお寿司屋さんは、近隣にもあまりなく、珍しいと評判です。使用するお米は地元のもので、釜を使って炊き上げています。古代米のシャリは飾り寿司で色味を出すために使われ、もちもちとした食感が特徴です。基本的には通常のシャリのみとのことでしたが、今回は2種類楽しめたのでちょっと得した気分♪その日によってネタの内容が変わるため、何度も通われるお客様がいらっしゃるのも納得です。
「沖之寿司」さんで提供されているお魚は、浜松で仕入れられています。甲賀さん自ら毎日市場へ出向いて全てを回り、ご自分の目で確かめた上で仕入れる魚を決めていらっしゃいます。

ディナーは、おまかせのお寿司のみ。旬のものを中心に、そのときに美味しいネタをおまかせで1つずつ提供してくれます。人気のコースは「上おまかせ十二コ(3,850円)」。メニューに上と特上がありますが、主な違いとしては、上は魚が多め、特上は貝が多め。おまかせを楽しんだあとに、単品で追加されるお客様もいらっしゃいます。

「沖之寿司」さんの最大の特徴は「関西江戸盛」と呼ばれる、見た目にも華やかなお寿司を注文できること。これは江戸前寿司と呼ばれる握りと、関西では親しまれている箱寿司を組み合わせたもの。甲賀さんは、握り部門のコンテストで金賞を受賞した経験があり、さらに上を目指そうと、もともと興味のあった関西寿司の勉強をはじめ、その両方を楽しめる関西江戸盛の提供を始められました。中部地方では、このお寿司を楽しめるお店は少なく、もっと多くの方に知ってもらいたいと考えられています。
10月には、関西江戸盛のコンテストへの出場が決まっている甲賀さん。「握りと関西江戸盛の両方で金賞を取った人はまだいません。関西江戸盛でも金賞を取って、より多くの人にこのお寿司を知ってもらうきっかけになれば」と話されていました。中部地区で関西江戸盛の指導をされている甲賀さんの腕前は折り紙付きですよ。
この「関西江戸盛」は3日前までの予約が必要です。約3人前で予算は10,800円から。結婚祝いや節句など、お祝いの内容やご予算・人数によって、盛り方などを考えてくださいます。これまで提供されたものはお店のインスタグラムで投稿されていますので、ぜひご覧ください。投稿されているものと同じもののご注文も可能です。こちらのご予約はお電話のみとなります。

「沖之寿司」さんでは、カウンターとテーブルがあり、お席の予約が可能です。常連さんも多いため、確実に来店されたい方はあらかじめ電話でお席の予約をしておくと安心です。テーブル席は、小さなお子様でも安心できるように座敷席に変更が可能です。

「お酒を楽しむより、お寿司を楽しむお店」を掲げており、宴会などは一切行なっていない「沖之寿司」さん。美味しいお寿司を堪能しに、ぜひ1度ご来店あれ～。

取材：みづき