一段と寒さが厳しくなり、冷え“しょう”には厳しい季節となりました。現代社会では冷え性を訴える人が年々増加しているといわれています。今回は冷え性の原因と対策についてご紹介します。
冷え“しょう”とは
よく言われる「冷えしょう」には2種類の漢字が使われます。よく見る「冷え性」は、明確な異常がみられないが、冷えの症状が認められることで、西洋医学では“冷え性”の体質として扱われています。それに対して「冷え症」は東洋医学的な考えで、治療が必要な場合に使われます。冷えの症状が現れる部位はさまざまで、それぞれ原因が異なるため、相談しながら治療を行なっていきます。今回は「冷え性」の原因と対策について考えます。
冷え性の原因と対策
冷え性の原因として、大きく2種類に分けられます。1つはストレスや生活習慣に起因する自律神経の乱れ、もう1つは加齢などによる筋肉量減少や基礎代謝の低下です。それぞれの原因に合わせた対策を取りましょう。
○自律神経の乱れ
こちらの冷え性は血行不良が原因で起こるとされています。自律神経によって調節されている血行ですが、自律神経のバランスが乱れることで血行不良を引き起こします。働き世代の8割ほどが当てはまるとされています。自律神経のバランスを整えるために、リラックスした時間を意識的に作るようにしましょう。また、身体を締め付けるような衣服は血行不良を招くため、ゆったりとしたものを選び、身体の末端部を冷やさないような服装を心がけましょう。規則正しいリズムで生活し、ストレスを溜めないようにすることで、自律神経のバランスを整えることにつながります。
○筋肉量減少・基礎代謝低下
筋肉は体温を調節するために重要な器官です。運動によって熱を産生するため、筋肉量が減ると熱を産生しにくくなります。また、筋肉は収縮することで血液を循環させているため、筋肉が増えると血流が良くなります。
基礎代謝とは、生きていくために必要最低限のエネルギーのことです。身体の中でエネルギーが発生する際に熱が生じますが、基礎代謝が低いほど熱が生じにくくなるため冷えを感じやすくなります。
筋肉量を増やすためには、運動を行うようにしましょう。おすすめは、「インターバル速歩」です。3分ゆっくり歩き、3分早く歩くを1セットとし、合計5セット行うようにしましょう。背筋を伸ばした姿勢を保ち、出来るだけ大股で踏み出し、肘を90°に曲げて腕を大きく振るようにしましょう。インターバル速歩はほかにも、睡眠の質の改善や認知機能の改善など、さまざまな効果が期待できるため、冷え対策以外としてもおすすめの運動です。他にも膝をついたままの腕立て伏せや腹筋なども効果的です。
基礎代謝を上げるには体が温まる食材やたんぱく質の多い食材を食べるようにしましょう。体が温まる食材の1つにショウガがあります。辛み成分には体を温める効果があるとされているため、冬は特に取り入れましょう。たんぱく質を多く含む食材としては、肉や魚などがあります。たんぱく質は筋肉を作るのに欠かせないため、運動するときには積極的に取り入れましょう。