日本では春にお花見を楽しむように、秋には紅葉を楽しむ「紅葉狩り」があります。この紅葉狩りはいつ頃から楽しまれていたのでしょうか?今回は紅葉狩りの歴史と県内の紅葉スポットをご紹介します。
紅葉狩りの歴史
日本で紅葉を楽しむ文化の起源は古く、奈良~平安時代までさかのぼります。百人一首や当時の和歌などにも、「黄葉」「紅葉」を詠った歌が複数あり、貴族が紅葉を楽しんでいたことがうかがえます。しかし、春に行われるお花見は屋敷内の庭園に桜が植えられていたため手軽に楽しめましたが、落葉樹が植えられることは少なく、山に足を運ぶ必要があったためそこまでメジャーではありませんでした。また、紅葉は物悲しさや無常を感じさせるものだったといわれており、本格的に楽しむようになったのは室町時代に入ってからとも言われています。
江戸時代になると庶民にも紅葉狩りが広まっていきました。このころ庶民の間で旅行が流行しました。このブームの火付け役となったのが「都名勝図会」など、今でいうガイドブックのような本でした。そこに紹介される紅葉スポットにこぞって訪れるようになっていきました。当時の紅葉狩りは、木の下でお団子などを食べたり、お酒を持ち込んで盛り上がったりと、お花見に近いスタイルでした。
県内の紅葉スポット(見頃は天候によって前後します)
富士山スカイライン(富士宮市~御殿場市) 見頃:10月中旬~11月上旬
「日本の道百選」にも選ばれている富士山スカイラインでは、雄大にそびえる富士山を背景に紅葉を望めます。標高2,000~2,400mでは10月上旬、標高1,500~2,000mでは10月中旬、標高1,000~1,500mでは10月下旬と、見頃の時期が変化し長期間楽しめます。周辺にはハイキングコースもあり、紅葉の中を歩くことができます。
油山寺(袋井市) 見頃:11月上旬~12月上旬
目の健康などを祈願する「目の霊山」として親しまれている油山寺は、紅葉の名所としても知られています。山門をくぐり境内に入ると、約1,500本の紅葉のパノラマが広がります。天然記念物「御霊杉」と紅葉のコラボレーションもみどころです。
どうだん原(島田市) 見頃:11月上旬~11月下旬
県下有数のドウダンツツジがある「どうだん原」や千葉山周辺で紅葉を楽しむことができる。千葉山ハイキングコースの途中にあるどうだん原では、約8,000本のドウダンツツジが、鮮やかに紅葉する景色を楽しむことができる。歩きやすいため、老若男女が安心して紅葉を見に行くことができる。
出会い橋(伊豆市) 見頃:11月中旬~12月上旬
6月頃にはホタルスポットとして知られている出会い橋は、カエデやイチョウなどが植栽され、紅葉スポットとしても知られています。例年、紅葉シーズンにはライトアップも行われ、夕闇に映し出される幻想的で美しい紅葉を楽しむことができる。主要道路からも近いため、ちょっとした立ち寄りもできる場所。