日本には様々な桜の名所がありますが、「日本三大桜」と「日本五大桜」に選ばれている美しい木をご存知ですか?
今回は日本三大桜・五大桜と県内のお花見スポットをご紹介します。
日本三大桜・五大桜
日本三大桜・五大桜は、大正時代に制定された法律「史跡名勝天然記念物保存法」(現在の文化財保護法)に沿って選ばれた桜の名所で構成されています。日本三大桜とは、岐阜県の「根尾の淡墨桜(うすずみさくら)」、山梨県の「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」、福島県の「三春(みはる)の滝桜(たきざくら)」のことです。これに静岡県の「狩宿(かりやど)の下馬桜(げばざくら)」と埼玉県の「石戸蒲桜(いしとかばざくら)」を加えたものが日本五大桜です。これらは1922年10月12日に国の天然記念物に指定されています。「根尾の淡墨桜」は樹齢1500年を超えるヒガンザクラで、1シーズンで様々な色の花びらを観賞できます。「山高神代桜」は樹齢2000年を超え、日本最古、最大級を誇る桜です。「三春の滝桜」も樹齢1000年を超える巨木で、流れるように下がる枝に可愛らしい花がたくさん咲きます。「狩宿の下馬桜」は山桜の中では最古のもので、唯一特別天然記念物に指定されています。「石戸蒲桜」はエドヒガンとヤマザクラが自然に交配したもので、自生しているものはこの1本だけです。
長い年月、命を育んできた生命力を強く感じると共に、その大きさや美しさに圧倒される日本三大桜・五大桜。一生に一度は見ておきたい、そんな桜です。
県内のお花見スポット(見頃は天候によって前後します)
✿狩宿の下馬桜(富士宮市) 見頃:4月中旬~下旬
その昔、源頼朝が富士山麓で狩りをした際、近くの陣屋で馬を下りて、この桜の木に繋いだという言い伝えから、別名「駒止めの桜」とも呼ばれています。富士山や近くの菜の花畑との、色彩豊かで壮大な景色を楽しむことができます。
✿秩父宮記念公園(御殿場市) 見頃:4月上旬~4月下旬
庭園内には樹齢130年以上と言われている枝垂れ桜のほか、ソメイヨシノ、大島桜などが楽しめます。特に1723年に建てられた茅葺きの母屋に寄り添うように咲くシダレザクラは圧巻。桜まつり期間中はライトアップが行われたり、イベントなどが開催されたりします。
✿伊豆高原桜並木(伊東市) 見頃:3月下旬~4月上旬
総延長約3kmの道の両側に桜が植えられており、満開の頃には「桜のトンネル」「桜のアーチ」と呼ばれるピンク色のトンネルを楽しむことができます。このトンネルは伊豆高原駅の近くから始まっているため、観光客が多く訪れる人気のスポットです。
✿野守の池(島田市) 見頃:3月下旬~4月上旬
川根町にある周囲約1.2kmの野守の池周辺には、シダレザクラが約60本、カンヒザクラが約200本植えられています。周辺の桜と合わせて桜まつりが開催され、大井川の春の風物詩としても人気です。
✿小國神社(周智郡森町) 見頃:3月下旬~4月上旬
県内でも有数の桜の名所です。境内の宮川沿いに約1000本の桜が咲き誇ります。ソメイヨシノをはじめ、よりピンク色の強い「枝垂桜」や「八重桜」なども楽しめます。パワースポットとしても人気が高く、夜にはライトアップもされるため、多くの人でにぎわいます。