夏の蒸し暑く寝苦しい夜と違い、秋は涼しくなるため、夏の睡眠不足を解消するには良い季節です。
ぐっすり眠れる快眠法をご紹介します。
<食事>
良い睡眠を取るために、食事はとても大切です。規則正しく3度の食事を取ることで、体内時計の調子が良くなり、覚醒と睡眠のメリハリがつきます。特に朝ご飯は必ず食べましょう。朝ご飯は夜に眠っていた体内時計を目覚めさせる効果があります。米やパンなどの穀類、肉類、魚介類などには「トリプトファン」というアミノ酸が豊富に含まれています。体の中ではこのトリプトファンから覚醒系の脳内物質である「セロトニン」が作られるため、朝食にトリプトファンをたくさん摂取すると、日中はしっかり目覚めていられます。また、夜になるとセロトニンが睡眠ホルモンである「メラトニン」に変わります。このメラトニンが分泌されると人は眠くなります。良い睡眠を取るためにメラトニンの分泌量を増やすことが重要になります。分泌量を増やすポイントの1つがメラトニン生成に必要なセロトニンを増やすこと。そしてこのセロトニンを増やすためにはトリプトファンをたくさん摂取すること。つまり、朝食をしっかり食べることが良い睡眠につながっていきます。
また胃腸が働いている間は十分に眠ることができないため、夕食は就寝の3~4時間前までには済ませましょう。消化に時間がかかる揚げ物や炒め物は少量にし、あっさりとした和食や炭水化物が多い食事がオススメです。特に、エビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類には、「グリシン」が多く含まれています。この「グリシン」を多くとると寝付いた後に深い睡眠が早く現れ、その後の睡眠も安定するなど、睡眠の質が改善されることが分かっています。
夕食時に飲む少量のアルコールは、ストレス解消に役立ち、睡眠にも効果的です。ビールなら中瓶1本程度、ワインならグラス2杯程度までにしておきましょう。しかし睡眠薬代わりの寝酒は眠りを浅くしたり、トイレが近くなったりと、睡眠の質を悪くするため逆効果です。また寝酒を続けるとアルコール依存症になる危険性もあります。
<運動・入浴>
人は体温が下がってくると眠気が強くなるため、体温の変化にメリハリがあるとぐっすりと眠ることができます。就寝の1~2時間前に30分程度、ウォーキングなどの軽めの運動を行なうと、一時的に体温が上がります。その後は体温が急激に下がるので、運動をしないときに比べて寝付きが良くなります。
入浴でも体温の変化にメリハリをつけることができます。お風呂は、38~40度くらいのぬるめのお湯に、20~30分つかりましょう。副交感神経が刺激され、心身ともにリラックスするだけでなく、一時的に体温を上げることができます。お風呂から上がって10~15分くらい経つと、一度上がった体温が下がり始めて、寝付きやすくなります。朝の軽い運動も覚醒度を上げるのでオススメです。ウォーキングやゴルフのスイングの練習など、リズムがある運動をすると、覚醒物質のセロトニンが増えて目が覚めてきます。外で運動して太陽の光に当たると、体内時計がリセットされて生体リズムが整い、健康な1日を始めることができます。