2016年も残り1ヶ月。新年を迎える準備を始めている方も多いのではないでしょうか?
日本では1月7日に「七草粥」を食べる習慣があります。
今回は、この「七草粥」についてご紹介します。
七草粥の由来
七草粥は「人日(じんじつ)の節句」という五節句の行事の一つでした。この人日の節句は中国から伝わったもので、唐の時代では7種類の若菜を入れた七種菜羹(ななしゅさいのかん)という汁物を食べ、無病息災を願っていました。この風習が日本に伝わると、日本古来の年始に若草を摘んで食する若菜摘みと結びつき、七草粥の形に変わっていきました。江戸時代に、「人日の節句」が五節句の一つとして定められると、庶民の間にも広まっていくようになりました。七草粥が定着した背景には、お正月のご馳走に疲れた胃腸をいたわり、青菜の不足しがちな冬場の栄養補給をする効用があったからと言われています。
七草とは
一般的に七草粥の“七草”は春の七草のことをいいます。春の七草は早春にいち早く芽吹くものであることから、邪気を払うとも言われています。
●芹(せり)=競り勝つ
水辺の山菜で香りがよく、食欲が増進します。鉄分を多く含んでおり、増血作用が期待できます。
●薺(なずな)=撫でて汚れを除く
ペンペン草とも呼ばれています。薬効に優れた薬草として用いられていました。
●御形(ごぎょう)=仏体
母子草とも呼ばれ、かつては草餅にも使われていました。風邪予防や解熱効果が期待できます。
●繁縷(はこべら)=繁栄がはびこる
目によいビタミンAとタンパク質が豊富に含まれていて、腹痛の薬としても使われていました。
●仏の座(ほとけのざ)=仏の安座
タビラコとも呼ばれています。タンポポに似ていて、食物繊維も豊富に含まれています。
●菘(すずな)=神を呼ぶ鈴
蕪のことで、ビタミンが豊富に含まれているだけでなく、ジアスターゼが消化を促進してくれます。
●蘿蔔(すずしろ)=汚れのない潔白
大根のことで、ジアスターゼが消化を促進し、風邪の予防にもなります。
古来より食べられ、体にいい効果がある七草粥。2017年は七草粥を食べ、元気な1年を過ごしたいですね。