7日に開幕となったリオパラリンピック。
オリンピックのあとに開催されている障害をもった方々を対象としたスポーツ競技大会です。
いつから開催されているのか、オリンピックとの大きな違いは何か・・・など、オリンピックの影に隠れてしまいがちなパラリンピックについてご紹介します。
歴史
障害のある方々が運動を行なっていた記録は紀元前から残っています。しかし、障害当事者自身が組織を作り、自発的にスポーツ活動をはじめたのは19世紀以降のことで、現在のパラリンピックへと発展したのは、第二次世界大戦後のことです。イギリスでドイツとの戦争激化による負傷から脊髄損傷になる兵士が急増することを見越し、ロンドン郊外にあった病院内に脊髄損傷科を開設しました。その初代科長に任命されたグットマン卿は、スポーツを治療に取り入れる方法を用いました。1948年7月29日、グットマン卿はロンドンオリンピックに合わせて病院内で16名の車いす患者によるアーチェリー大会を開催しました。これがパラリンピックの原点です。
第1回パラリンピックと位置づけられている大会は1960年に開催されたローマ大会です。1964年に東京で開催された国際身体障害者スポーツ大会は2部構成で行われ、のちに第2回パラリンピックに位置づけられました。1985年にはパラリンピックが正式名称となり、1989年9月22日には、国際パラリンピック委員会(IPC)が設立されました。2000年、第11回シドニーパラリンピック期間中に、国際オリンピック委員会(IOC)とIPCによる話し合いが持たれ、「オリンピック開催国は、オリンピック終了後、引き続いてパラリンピックを開催しなければならない」との合意に達しました。翌年には2度目の話し合いが持たれ、より詳細な協力関係に関する合意がなされるなど、「もう1つのオリンピック」にふさわしい、世界最高峰の障害者スポーツ大会へと発展し続けています。
出場条件・ルール
パラリンピックは障害者のスポーツ大会であることから、オリンピックと異なる条件やルールがあります。選手は視覚障害、脳性麻痺、運動機能障害、切断などの障害がある方が出場できます。ただし現在は聴覚障害者、精神障害者の場合は参加することができません。
またルールにも異なる部分があります。例えば視覚障害者のみで行われる柔道では、対戦相手と組んだ状態から試合を開始します。またサッカーでは、オフサイドがなく、試合時間も前後半30分とハーフタイム15分で試合が行われます。
福祉性の高い大会から競技性の高い国際的にも権威ある大会へと進化しているパラリンピック。日本の選手たちが活躍してくれるように、精一杯応援したいですね。