古くからある月の呼び名を知っていますか?

古くから日本では「1月=睦月」などの月の異名が存在します。
なぜそれぞれに異名がついているのでしょうか。
今回は月の異名についてご紹介します。

月の異名って・・・
月の異名は旧暦の際に呼ばれていたもので、「二十四節気」を元にしています。「万葉集」や「日本書記」などでも見られているものです。日本では江戸時代初期まで、中国暦(太陰太陽暦)が使われていました。1873年に太陽暦である「グレゴリオ暦」へと改暦され、現在に至っています。改暦以前が「旧暦」と呼ばれているため、月の異名もその頃呼ばれていたものとされています。

月の異名の語源
12ヵ月それぞれにある月の異名はどのような語源があるのでしょうか?諸説ありますが、それぞれ一般的に言われているものをご紹介します。

睦月(1月:むつき)
正月に親しい者が集まり遊宴する睦び月(むつびつき)の意味から。

如月(2月:きさらぎ)
寒さのために更に衣を着る=衣更着(きぬさらぎ)から。
字は中国の2月の異名「如月(じょげつ)」に由来。

弥生(3月:やよい)
「弥」という字には「いよいよ・ますます」という意味があり、草木がいよいよ生い茂る月から。

卯月(4月:うづき)
卯の花が咲く時期から。また、稲を植える植月(うえつき)から。

皐月(5月:さつき)
田植えが盛んで、早苗を植える月という早苗月(さなえつき)から。

水無月(6月:みなづき)
梅雨が明けて酷暑が始まることにより水が枯れることから。また、田に水を入れる水の月から。

文月(7月:ふみづき)
七夕の日に書物を開いて夜気にさらす習慣があったことから。

葉月(8月:はづき)
木の葉が黄葉して落ちるという葉落月(はおちづき)から。

長月(9月:ながつき)
夜が長くなる月「夜長月」の略。

神無月(10月:かんなづき)
旧暦10月は諸国の神々が出雲大社に集まり、出雲以外の国々には神が不在となることから。出雲国のみ神有月と呼ぶ。

霜月(11月:しもつき)
寒さがさらに進み、霜が降りる「霜降月」の略。

師走(12月:しわす)
仏事でお坊さんが慌ただしく駆け回る事、師匠も忙しく仕事を納める様から。

これらの異名は有名なものですが、他にもさまざまな異名が各月にはあります。さまざまな異名や語源を調べてみると新たな発見があるかもしれないですね。