窓回りの防犯

「カギ破り」の手口は高度化する一方。今や、ただ鍵をかけているだけでは安心できません。
特に集合住宅で狙われやすい玄関を中心に、手軽なドアの防犯対策をご紹介します。

ポイント1 約7割は窓から侵入
●空き巣の進入手段で、もっとも多いのは「ガラス破り」です※1
中でも狙われやすいのが、引き違いの掃きだし窓。普通は2枚のサッシの中央を金具 (クレセント錠)で固定されているだけなので、ガラスに小さな穴を空ければ、手や道具を差し込んで簡単に解錠できるのです。バールなどで叩き割る単純な方法以外に、大きな音が出ない方法として、ガラスカッターを使った「切り破り」や、ライターなどでガラスを熱した後に水をかける「焼き破り」が増えています。
※1 「ガラス破り」は、戸建て住宅の進入経路の66.4%、マンションの22.4%を占める。(警視庁の調査による)

ポイント2 まず「5分の壁を作ろう!」
●空き巣狙い犯は人目につくことを恐れるため、侵入に時間をかけることを嫌います。その点、クレセント錠だけの窓は、慣れた犯人なら1分もかけずに破ることができるため、空き巣狙い犯にとって、もっとも都合が良い窓といえます。一方侵入に5分以上かかる場合は半数以上の空き巣狙いが、10分以上かかる場合はほとんどの空き巣狙いが侵入をあきらめるという調査結果もあります。窓の防犯対策は、時間の壁を作ることが基本。複数の補助錠を組み合わせるだけでも、窓の防犯性能はグンと高まるのです。

ポイント3 泥棒が敬遠するのはこんな窓
●窓からの侵入を未然に防ぐには、空き巣狙いに下見の段階で「破りにくそうな窓」だと思わせることが肝心です。そのためにも、ぜひ外から見て分かる防犯対策を取り入れましょう。特に抑止力として効果があるのが「防犯アラーム」です。窓を破壊するときの振動を感知してアラーム音が鳴るしくみで、窓に貼るだけの手軽なものなら賃貸住宅でも使えます。また、掃き出し窓の周辺は庭木を剪定し、犯人が隠れられるスペースをなくしておきましょう。

ポイント4 無防備な小窓&高窓にご用心
●浴室やトイレの小窓、階段の明り取り用の高窓などは、防犯対策がつい手薄になりがちです。しかも、比較的人目につかない場所にあるうえ、換気のために開けっ放しにしたり、無施錠のままのことも多いため、実は空き巣に狙われやすい窓であるといえます。留守時にしっかり施錠するのはもちろん、人が入れる大きさがあるなら、面格子を取り付けるなどの対策をぜひ考えておきましょう。