即位に関する一連の儀式について

5月1日に天皇陛下が即位し、令和時代がスタートしました。
即位に伴う一連の儀式「即位の礼」の1つ、「即位礼正殿の儀」が今月執り行われます。
今回は、即位に関する一連の儀式についてご紹介します。

即位の礼について
天皇陛下の御即位に関して、さまざまな儀式が執り行われてきたことは報道で目にすることが多かったと思います。この即位に伴う儀式はいつからいつまで、どういった内容で行われるかご存知でしょうか。一連の儀式は「即位の礼」と呼ばれ、5月1日に執り行われた「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」「即位後朝見(そくいごちょうけん)の儀」、10月22日に執り行われる「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」「祝賀御列(しゅくがおんれつ)の儀」、10月22日、25日、29日、31日に執り行われる「饗宴(きょうえん)の儀」の主に5つの儀式から成ります。5月1日は特別法案で祝日になり、ゴールデンウィークが10連休になったのは記憶に新しいところです。「即位礼正殿の儀」と「祝賀御列の儀」が行われる10月22日も特別法案が国会で成立しているため、祝日となります。

◆剣璽等承継の儀
皇位を継承された証として、歴代天皇に伝わる剣璽(けんじ)、御璽(ぎょじ)、国璽(こくじ)を引き継ぐ儀式です。

◆即位後朝見の儀
天皇が即位なさったあと初めて公式に三権の長をはじめ、国民を代表する人々に会われる儀式です。

即位礼正殿の儀・祝賀御列の儀について
今月22日に執り行われる「即位礼正殿の儀」は、即位の礼の中心となる儀式です。御即位を公に宣明されるとともに、その御即位を内外の代表がことほぐ儀式とされ、世界各国の首脳や国家元首が参列します。日本が承認する195か国から元首や祝賀使節らを招待し、2500人の参列者が見込まれています。天皇陛下が皇居・宮殿「松の間」に置かれた玉座「高御座(たかみくら)」から即位を公に宣言されます。陛下は平安時代以来の伝統的な天皇専用の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に身を包まれます。

その後行われる「祝賀御列の儀」は、広く国民に天皇の即位を披露され、祝福を受けられる儀式です。いわゆる「祝賀パレード」のことで、オープンカーなどでパレードを行ない、沿道に集まった国民の祝福を受けられます。パレードのルートは皇居・宮殿をスタートし、国会議事堂正門前や国立国会図書館前、赤坂御用地南門前などを通り、赤坂御所へと至る約4.6kmとなっています。このルートは警備上の観点から、首都高速の高架下や沿道の両側にビルが並ぶルートをできるだけ避けた結果、決定しました。天皇皇后両陛下のオープンカーに加え、皇嗣秋篠宮ご夫妻や政府要人の車列も加わるこのパレードは、所要時間が約30分と見込まれています。またこのパレードは悪天候となった場合の予備日も検討されています。

一連の儀式の最後に行われる「饗宴の儀」は国民の代表や外国の賓客などが招待され、天皇の即位を祝福する祝宴です。「饗宴の儀」は10月22日、25日、29日、31日の計4日間執り行われます。着席形式で2回、立食形式で2回行なわれ、2600人が参列するとみられています。


即位の礼は長い期間をかけてさまざまな儀式を行ないます。ほとんどの儀式は皇居内で行われたり、招待された方が参列したりするため、一般人が参列することはできません。しかし、祝賀御列の儀は祝賀パレードのため、一般人が参列することができる貴重な儀式です。