気象病の仕組みと対策

曇りや雨の日に、頭痛やめまい、肩こりなどの症状が出ることがあります。
これを「気象病」といいます。
今回は気象病の仕組みや対策法についてご紹介します。

気象病とは
気象病は天気の変化で起こる不調の総称です。患者数は増加傾向にあり、1000万人以上が悩んでいるとの推計もあるほどです。梅雨や台風の多い夏など、気温や気圧の低下、湿度の上昇が重なる時期には注意が必要です。そんな気象病は大きく二つに分けられます。一つは、偏頭痛や関節痛など、持病の症状が悪化するものです。痛みを伴うものは特に「天気痛」と呼ばれています。もう一つは、めまいや肩こり、イライラといったもので、自律神経が乱れがちな人に症状が出やすいものです。

様々な症状がある「気象病」ですが、共通する原因は「自律神経」にあると言われています。自律神経には、痛みにも関与している「交感神経」と心身を休息させる「副交感神経」があります。心理的ストレスや気象の変化で2つの神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になることで頭痛などが起こります。また、天気によって頭痛が出たり消えたりする天気痛の原因として内耳があげられています。体の平衡感覚をつかさどる内耳には、気圧の変化を感知し、脳に信号を送るセンサーがあるとされています。このセンサーからの情報と、視覚的情報にずれが生じると交感神経が優位になり、痛みが生じます。


気象病の対策法
気象病の対策としては、自律神経を整えることが効果的といわれています。ストレスがかかると眠れなくなるなど、普段から自律神経が乱れがちな人は、適度な運動をし、十分な睡眠を取るなどの自律神経を整える習慣を心掛けるようにしましょう。また、自律神経を整えるのに注目したいポイントはです。首は重要な神経や血管が通っており、首を回したり、マッサージをしたりとこまめにケアすることで自律神経の乱れを整えてくれます。近年はデスクワークやスマートフォンの普及などで姿勢が悪い人が増えています。首のコリや身体の歪みは自律神経を乱す原因となるので、注意が必要です。

症状が出た際の治療としては、めまいや狭心症、低血圧、喘息などの持病がある方は、しっかりと原疾患を治療することが大切です。その上で、気象の変化により悪化した場合には、各疾患に合わせた治療を強化していきます。天気痛であれば、めまいなどの症状は内耳に作用する薬乗り物酔い止めなどの薬を使用することで、痛みに対する治療になることがあります。酔い止め薬には内耳の血流を改善し、内耳神経の興奮を鎮める効果があります。そのため、内耳が原因といわれる天気痛に効果があるといわれています。

予防法としては、耳のマッサージがおすすめです。両耳を軽くつまんで、上下横に5秒ずつ引っ張ったり、耳を横に引っ張りながら後ろに回したりしましょう。また、天気と体調の変化を日記につけて、痛みと気圧の変化を知ることも重要です。気象病の症状がいつ出るのかを予測すれば、あらかじめ薬を飲んだり、外出を控えたりと対処することができます。

これからの季節は梅雨や台風などで、気圧の変動が多くなり、湿度が上がることで不調が表れやすくなります。気象病は早めの対策が有効です。梅雨時を少しでも快適に過ごせるように、出来る対策をしていきたいものです。