「春分の日」って本当はどんな日?

3月21日は春分の日です。
国民の祝日の一つである「春分の日」ですが、どんな意味があるかご存知ですか?
今回はそんな「春分の日」についてご紹介します。

「春分の日」って何?
1948(昭和23)年に「国民の祝日に関する法律」で「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨として制定されました。春彼岸の中日にあたります。もともとは明治11年に制定された「春季皇霊祭(しゅんきこうりょうさい)」という祭日が始まりです。この「春季皇霊祭」とは、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式のことです。また春分点を太陽が通過する日でもあります。「春分の日」は昼と夜が同じ長さになる日として有名です。

「春分の日」は固定されていない?
国民の祝日である「春分の日」ですが、実は他の国民の祝日とは異なり、月日が定められていません。翌年の「春分の日」は国立天文台が作成する『歴象年表』という小冊子に基づき毎年2月の第一平日に発行する官報での発表をもって定められます。2015年は3月21日ですが、2013年は3月20日でした。
では、なぜ日付が一定ではないのでしょうか。それは「うるう年」と同じような原理が働いているからです。前項にも記載してあるように、「春分の日」は春分点を太陽が通過する日です。地球の公転は、365日と約6時間かかるため、毎年少しずつ春分点を太陽が通過する時間がずれていきます。そのことが原因で必ず同じ日にはなりません。発表されている年以降の日にちは計算で求めることができますが、とても複雑な計算式を使用しています。国立天文台では、未来の日にちを予測しています。正式に発表されるまでの参考にしてみてはいかがでしょうか。また、「春分の日」とよく似た「秋分の日」も同じように日付は固定されていません。

「春分の日」は何をすればいい?
「この日は何かをしなくてはいけない」ということはありませんが、「春分の日」は春彼岸の中日です。この日は太陽が真東から真西に沈んでいきます。浄土思想では、真西に極楽浄土があり、その方向へ太陽が沈む日が一番、彼岸に近づく日とされています。そのため、この日を中心に先祖さまをお参りする風習が生まれました。せっかくの祝日ですから、ご先祖さまのお墓参りにでかけてはいかがでしょうか。
また代表的な食べ物としてあげられるのは、「ぼたもち」です。必ずこの日に食べなければいけないものではありません。しかし多くの人が、ご先祖さまにお供えした時に、一緒に家族も食していたようで、代表的な食べ物といわれるようになりました。
似た食べ物に「おはぎ」がありますが、どちらも同じものです。呼び名の違いは季節に咲く花によります。春彼岸のころは「牡丹(ぼたん)の花」から「ぼたもち」、秋彼岸のころは「萩(はぎ)の花」から「おはぎ」と呼びます。

また「ぼたもち」に使われる小豆は朱色をしています。この朱色には邪気を払う力があると言われており、彼岸に達するこの期間に邪気を払い、ご先祖さまが極楽浄土へ近づきやすくなるように・・・という意味もこめられています。

「春分の日」をのんびり過ごすのもいいですが、この機会にご先祖さまに「ぼたもち」をお供えし、お墓参りをしてみてはいかがでしょうか。