ボジョレーヌーボー解禁

近年、11月になるとテレビやお店などで「ボジョレーヌーボー解禁」について、取り上げられているのをよく見かけます。
ワイン好きにとっては、嬉しいニュースなのかもしれませんが、ワインに詳しくない人にとっては、あまりピンとこないのではないのでしょうか?今回は、「ボジョレーヌーボー」についてご紹介します。

ボジョレーヌーボーって何?
そもそもボジョレーヌーボーは他のワインと何が違うのでしょうか。ボジョレーヌーボーとは、フランスのブルゴーニュ地方ボジョレー地区で作られる新酒の赤ワインのことを指します。ボジョレーヌーボーには白ワインは認められていません。その年の夏に収穫されたブドウで作られた新酒で、もともとはブドウが良質であるかを確認するためのものと言われています。フレッシュでいきいきとしたおいしさが魅力です。癖のない味のため、ワイン慣れしていない人でも飲みやすいのが特徴です。

ボジョレーヌーボーが日本に来たのはいつ?
もともとは地元住民を中心に楽しまれていたボジョレーヌーボーが、日本でも飲まれるようになったのはいつからでしょうか。1951年にフランス政府が公式に解禁日を設けて発売することを認めたことをきっかけに、パリのレストランで大ブームとなりました。そして陸路や空路が発達してきた1970年代、世界中に知られるようになりました。日本への航空便での輸入は、1976年に開始されたと言われています。現在では、ボジョレーヌーボーの輸入量第一位は日本で、全生産量の4分の1を占めています。

11月の第3木曜日が解禁日なのはなぜ?
現在、ボジョレーヌーボーの解禁日は11月の第3木曜日と決められています。なぜこの日になったのでしょうか。もともとは、11月11日が解禁日でした。それは早いワインができあがるのがだいたいこの日周辺であること、サン・マルタンの日という聖人の日であったことが背景にありました。ところが、11月11日がサン・マルタンの日から無名戦士の日に変更になったため、一番近いサン・タルベールの日という聖人の日である、11月15日に解禁日を移しました。しかし、解禁日を固定してしまうと、年によっては休日になり、売れ行きに変動が出てしまいます。
なぜなら、フランスでは休日はワインショップやレストランなど、お休みのところが多いからです。そこで、フランス政府が1984年に解決策として、「毎年11月の第3木曜日」という、変動する解禁日を設定しました。
また日付変更線の関係上、先進国の中では日本が最初に解禁されるようになりました。

ボジョレーヌーボーの秘密
ボジョレーヌーボーは、ワインの造り方の上で大きな特徴があります。他のワインとは異なり、「マセラシオン・カルボニック法」と言われる方法を用いています。この方法は自然に発生する炭酸ガスを利用して製造する方法です。ボジョレーヌーボーは短時間で醸造しなくてはならないため、この方法を用いていると言われています。この方法で造ったワインは渋みや苦みが通常のワインより少なくなります。また、フレッシュでフルーティな味わいになります。このおいしさのために、ブドウの収穫は房ごとていねいに収穫する「手摘み」にこだわっています。
ちなみに今年の解禁日は、11月20日。今までボジョレーヌーボーを飲んだことがなかった方も、今年は飲んでみてはいかがでしょうか?