夏といえば花火~花火を知ってワンランク上の花火フォッチャーになろう!

花火大会を見ても良し、自分で花火をしても良し、大人から子供まで楽しめる花火は夏にはなくてはならないもの、だから安全に楽しむノウハウを少しばかりご伝授したいと思います。
花火を知ろう!花火を知って、ワンランク上の花火ウォッチャーになろう!というわけで、まずは花火の基本知識。

■花火の基本形

花火玉が開花したあと、星が中心より光りの尾を引きながら開く、文字どおり菊の花びらの様な花火です。尾を引く所から”引”とも言われています。例えば、光の尾を引き、青色に変化すれば玉名は菊先青(引先青)となります。

牡丹
菊とは違い尾を引かず、最初から色の炎を出して開く花火を「牡丹」と言います。

芯入り
花火玉が開花し、花の中に、芯が浮きでれば玉名の中に、芯という文字が入ります。たとえば”紅芯青牡丹”この玉名は開花したあと青色の尾を引かない花が開き、中心に紅色の芯浮きでます。






菊や牡丹に代表される伝統的な日本の花火の世界にも常にニューフェースが登場しています。
花火は丸く開くというイメージがありますが、近年その基本をふまえた上で、丸にこだわらない花火作家達の新しい挑戦により、素敵な花火が生まれています。
蝶々や土星に始まり、たんぽぽ、ひまわり、コスモスなどの新しい花々や、いくつかにまとまった花弁を持つ「万華鏡」など、花火は変幻自在の形を持つようになってきました。こうした玉の構造の工夫だけでなく、ピンクやレモン色などの微妙な中間色や、ピカピカ光る「点滅物」など、中に込める星そのものも新規の色合いや変化が生み出されています。花火大会を構成する花火玉は年々バリエーション豊かになっているわけです。
花火作家の工夫と好奇心は、常に新規の趣向を求め続けているようです。

クロセット菊、クロセット千輪、クロセット星

万華鏡

「玉屋」「鍵屋」って何?

■享保18年(1733年)5月28日
……両国の大川(現在の隅田川)にて川開き花火大会(隅田川花火大会の原型)開催。そこで活躍したのが日本橋横山町の花火師、鍵屋六代目弥兵衛です。
もともと「鍵屋」は葦(アシ)の管に火薬を詰めて星が飛び出す花火を開発し、商才もあって花火市場をほぼ独占していました。しかし、花火が火事の原因になるため町中では花火禁止令が出され、隅田川の花火だけが許されます。当時は納涼船を出して「鍵屋」に花火を上げさせるのが、豪商たちの贅沢の象徴だったのです。

■文化5年(1808年)
……「鍵屋」番頭の静七が暖簾分けをし、両国吉川町で玉屋市兵衛を名乗る。やがて川の上流を「玉屋」、下流を「鍵屋」が担当し、二大花火師の競演となる 。これを応援するための掛け声が「たまや~」「かぎや~」だったのです。

■天保14年(1843年)
……「玉屋」の出火で大火事となり玉屋市兵衛を江戸から追放。廃業する。
つまり、「鍵屋」から暖簾分けした「玉屋」が存在したのは一代限り、たった35年間だったのです。

いろいろ知ると、もっと花火が楽しめますね。